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IH非対応をIH対応にさせる!ヒートコンダクターのメリット・デメリットを徹底解説

近年、キッチンの加熱機器としてIHクッキングヒーターを採用しているご家庭が急増しています。ガス火のように直接火を使わないため安全性が高く、また熱効率が優れていることから光熱費削減にもつながるなど、多くのメリットがあるのがIHクッキングヒーターの魅力です。しかし、IHヒーターは「磁力線による電磁誘導」を利用して鍋やフライパンを加熱する仕組みのため、対応する調理器具が限られてしまうという難点があります。特にお気に入りの土鍋やアルミ製のフライパン、銅の鍋などがIHに対応していない場合、これらの調理器具を使えないのは少し残念ですよね。そこで注目を集めているのが、IH非対応の調理器具をIHヒーターでも使用可能にする「ヒートコンダクター(IH変換プレート)」です。

ヒートコンダクターは、IHと相性の悪い素材の調理器具に対して「熱を中継する」役割を果たすアイテムです。見た目はステンレスや鉄などの金属製プレートのような形状が一般的で、このプレート自体がIHの電磁誘導を受けて発熱することにより、上に置いた鍋やフライパンに伝導熱で熱を伝えてくれます。これにより、IH非対応の土鍋やアルミ製の調理器具などをIHで加熱できるようになるのです。本記事では、このヒートコンダクターを活用する際のメリットとデメリット、そして使い方や注意点などを詳しく解説していきます。IHクッキングヒーターを使っていて、調理器具の選択肢を増やしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ヒートコンダクターの仕組みと特徴

まず、ヒートコンダクターはIHの電磁誘導を受けることができる金属素材で作られているのが大半です。IHクッキングヒーターは鉄やステンレス、鉄を含むホーローなど、磁力を通す素材の鍋やフライパンを加熱します。逆にアルミや銅、セラミックなどの電磁誘導が働かない素材の調理器具はIHでは発熱しません。そこで、間にIH対応素材のプレート(ヒートコンダクター)を挟むことで、そのプレートが熱源として機能し、結果的にアルミや銅などの非対応素材の鍋を加熱できるようになるわけです。

この仕組みは非常にシンプルですが、いくつか特徴的なポイントがあります。例えば、ヒートコンダクターを通して熱が伝わるため、IHクッキングヒーターで直接鍋やフライパンを加熱する場合よりも、伝熱効率が若干落ちる傾向があります。ヒートコンダクター自体を温め、それを介してさらに調理器具を温めるため、どうしてもロスが発生してしまうのです。また、ヒートコンダクターの素材や厚み、取り扱い方などによっても熱の伝わり方が違うため、自宅のIHクッキングヒーターに合うものを選ぶ必要があります。加えて、調理中にプレート自体が非常に高温になるので、取り扱いや収納においても注意が必要となるでしょう。

ヒートコンダクターを使うメリット

1. IH非対応の調理器具がそのまま使える

最も大きなメリットは、やはりIH非対応の調理器具が使えるようになる点です。お気に入りのアルミ鍋や銅の鍋、さらには一部の土鍋などをわざわざ買い替えなくても、ヒートコンダクターさえ用意すれば引き続き使い続けることができるようになります。特に、長年使い込んで愛着のある調理器具や、特定の料理に適している素材の鍋がある場合、それを処分せずに済むのは大きな利点でしょう。IHクッキングヒーターを導入する際に、「手持ちの調理器具を全部買い替えなければならない」という煩わしさを軽減できるのは嬉しいポイントです。

さらに、鍋やフライパンだけでなく、やかんや土鍋など、素材によってはガス火専用として作られている調理器具にも対応できることが多いです。たとえば、直火OKの耐熱土鍋はIHにそのままでは対応できませんが、ヒートコンダクターを使えば煮込み料理やおでん、鍋料理などをIHクッキングヒーター上で行えるようになります。これによって、冬場の鍋パーティーやおでん作りなどを安全かつ便利に楽しむことが可能です。

2. コスト削減につながる場合がある

IH化に合わせて調理器具を総入れ替えするとなると、品質の良いステンレス鍋やIH対応土鍋などを複数用意しなければなりません。これは意外と大きな出費になります。特に、料理ごとに使い分けたい鍋が多い方や、すでに高級素材の調理器具を一通り揃えている方にとっては、新しく買い直すコストが気になるかもしれません。その点、ヒートコンダクターを1枚購入するだけで手持ちの鍋・フライパンが使えるならば、コストを抑えられるというのは魅力的です。

また、調理器具を安易に買い替えずに済むということは、環境にも優しい選択と言えます。無闇に処分して新しいものを買うより、まだ使える物を末永く活かすのはエコロジーの観点からも望ましいといえるでしょう。IHクッキングヒーターへの切り替え時、なにかと出費の多いタイミングでもあるので、そういった負担を軽減してくれるのがヒートコンダクターのメリットの一つです。

3. ガス火の調理感覚に近づけられる

IHクッキングヒーターは熱効率が高い半面、ガス火に比べて調理器具全体を均等に加熱するのが得意です。ガス火のように炎が鍋底から立ち上り、鍋の側面にも熱が当たるというわけではありません。そのため、料理によってはガス火特有の「焦げ目」や「香ばしさ」を出しにくいと感じることもあるでしょう。しかし、ヒートコンダクターを通して熱を伝えると、プレートに熱が蓄積される時間がある分、ある程度ジワジワとした加熱が可能となり、ガスのような熱ムラに近い効果を感じる場合があります。

もちろん、実際の炎による調理とは異なるので完全に再現するのは難しいですが、調理器具全体がゆっくり温まることで食材を焦がしにくくなる一方、手早い加熱が必要な料理では多少タイミングを調整しやすいという声もあります。IHならではの強力な火力にメリハリをつけて、じっくり煮込む料理から炒め物まで対応できるというのは便利な側面でもあるでしょう。ガス火派の方がIHを導入する際、慣れずに戸惑うケースもあるため、ヒートコンダクターの使用がワンクッションとして役立つことがあります。

ヒートコンダクターを使うデメリット

1. 熱効率が下がり、加熱に時間がかかる

ヒートコンダクターの最大のデメリットとして挙げられるのが、どうしても熱効率が下がってしまう点です。本来ならばIH対応の鍋やフライパンが直接電磁誘導を受けることで効率よく加熱するところを、ヒートコンダクターという仲介役が入る分、エネルギーロスが発生して加熱速度が遅くなります。例えば、IH対応鍋なら湯沸かしが短時間で済むのに対して、ヒートコンダクターを使うとお湯が沸くのに時間がかかる、といった違いが顕著に現れるでしょう。

また、ヒートコンダクター自体が一定の厚みを持つものが多く、まずはそのプレート全体をしっかり加熱する必要があります。その間に電気代や時間のロスも増えることは確かです。特に忙しい朝に短時間で調理を済ませたい場合や、大量のお湯を沸かすときなどはこのデメリットを強く感じるかもしれません。IHのメリットである「早い加熱」を最大限に活かすことは難しくなるため、使用シーンを選ぶことが必要となるでしょう。

2. プレートが高温になり、取り扱いに注意が必要

ヒートコンダクターは調理中、IHクッキングヒーターからの熱を受け取って非常に高温になります。金属製のプレートが直接発熱しているため、火傷ややけどの危険がガス火以上にあると認識しておきましょう。うっかり裸手で触ってしまうと大変危険ですし、ヒートコンダクターを置く場所にも注意が必要です。ガラス製や樹脂製の台所カウンターの上に熱いまま置いてしまうと、変形や破損の原因にもなりかねません。

また、調理後もプレートがなかなか冷めない場合があります。IHクッキングヒーターは火を使っていないため安心感がありますが、金属プレートは蓄熱力が高いため油断は禁物です。特にお子さんやペットがいるご家庭では、プレートを放置すると思わぬ事故につながるリスクがあります。安全面を考慮し、ヒートコンダクターの移動や収納はしっかり冷ましてから行うようにしましょう。万が一を考えて、耐熱ミトンやトングなどを使って扱うことも検討してください。

3. 調理器具が安定しにくいことがある

IHクッキングヒーターは平らなガラストップが主流ですが、そこに厚みのあるプレートを敷いて、その上に鍋やフライパンを置く形になります。ヒートコンダクターの厚みや形状によっては、ガタつきや滑りやすさが生じる可能性があります。実際、プレートと鍋の接地面が狭かったり、土鍋の底が丸みを帯びているような場合、安定感に欠けるケースもあり得ます。

また、ヒートコンダクターを長時間使い続けるとプレートが歪むこともないとは言い切れません。高温と冷却を繰り返すことで金属素材が徐々に変形し、フラットな面が微妙に反ってしまうケースもあります。そうなると、ますます調理器具の安定性に影響が出たり、熱の伝わり方にも偏りが出やすくなる恐れがあります。頻繁に使うアイテムだからこそ、耐久性や厚み、滑り止めの有無などをチェックしておくことが大切です。

ヒートコンダクターの上手な使い方とコツ

ヒートコンダクターのデメリットを最小限に抑え、メリットを最大限活かすには、使い方にもいくつかコツがあります。まず大切なのは、できるだけIHに適した素材のプレートを選ぶこと。ステンレスや鉄系の素材で、IH反応が良く、厚みがありすぎず薄すぎないものが望ましいです。薄すぎると焦げつきやすく、厚すぎると加熱に時間がかかりすぎる場合があります。その中間を選ぶと扱いやすいでしょう。

次に、調理を始める前にヒートコンダクターをある程度予熱しておくという方法があります。弱火~中火程度でヒートコンダクターを少し温めておくことで、後から置く調理器具が温まりやすくなる効果が期待できます。これはガス火調理で鍋を事前に温めるのと同様のテクニックです。ただし、温めすぎると鍋を置いた瞬間に焦げつきのリスクが高まるため、食材や調理内容に応じて火力をこまめに調整することが必要です。

ヒートコンダクターの選び方・ポイント

いざヒートコンダクターを購入しようとすると、様々なメーカーや材質、価格帯の製品があり、どれを選ぶべきか悩む方も少なくありません。選択の際には、以下のポイントをチェックしてみてください。

  • 材質: ステンレスや鉄など、IHでしっかり発熱する素材を選ぶ。アルミや銅などの合金系プレートは対応しないことが多い。
  • 厚み: 厚すぎると熱が伝わるまで時間がかかり、薄すぎると変形や焦げ付きの原因になりやすい。およそ3~5mmあたりを目安に選ぶとよい。
  • サイズ: 使いたい鍋やフライパンより一回り大きいか、ほぼ同じ大きさを選ぶ。小さすぎると安定性が悪くなり、大きすぎると余計な箇所まで加熱してしまう。
  • 取っ手や穴の有無: プレート本体が熱くなるので、取り扱いやすい取っ手がついている製品だと安全面で安心。ただし、それがIHトップに干渉しないか要確認。
  • 表面仕上げ: 焦げ付き防止コーティングなどがされているものだと、掃除がしやすくお手入れが簡単になる。

上記ポイントを踏まえつつ、使用頻度が高い方は、やや価格が高くても質の良いプレートを選ぶことをおすすめします。長期的に見れば変形や劣化が少なく、結果的にコストパフォーマンスが向上するためです。頻度が低い場合や、あくまで「たまにしか使わない」という方は、そこまで高価な製品を選ばなくても支障はないでしょう。

使用上の注意点とメンテナンス方法

ヒートコンダクターはIH対応の金属板ですから、基本的には頑丈なアイテムですが、使用上の注意と適切なメンテナンスを行うことで、より長く快適に使うことができます。特に注意すべき点は、やはり「高温を扱う」ことへのリスク管理です。前述の通り、使用後はすぐに触らない、火傷の危険を考慮してしばらく放置して温度を下げる、などを徹底してください。また、調理中に溢れた油や汁が焦げ付いたり、プレートが焼け焦げを起こすこともあります。

焦げ付いた場合は、金属タワシや研磨剤の強いスポンジでゴシゴシこすりすぎると表面を傷める可能性があります。プレートの材質や表面のコーティングによっては、メーカー推奨の洗い方が指定されている場合があるので、付属の取扱説明書やメーカーサイトを確認しましょう。しつこい焦げ付きには、しばらくぬるま湯に浸してから柔らかいスポンジで洗い落とすなど、調理器具をメンテナンスする感覚で対処すれば十分きれいになります。

ヒートコンダクターは万能ではない? 使用シーンの見極め

ヒートコンダクターを利用すれば、IH非対応の調理器具が使えるようになり、幅広い料理を楽しめるようになります。しかし、IH本来のメリットである「素早い加熱」「光熱費節約」に関しては、どうしても効率が落ちるのも事実です。そのため、頻繁に使用するメインの鍋やフライパンは、IH対応品を用意しておくほうが快適なケースが多いでしょう。

一方で、土鍋や銅鍋など「特別な料理」のためにしか使わないものに対して、ヒートコンダクターを活用するのは非常に有効です。特に季節料理や行事などで登場する鍋類に関しては、調理時以外はあまり出番が少ないですよね。そういった「サブ的な調理器具」を、わざわざIH対応に新調するよりも、手頃なヒートコンダクターを1枚持っておくほうが、結果的に費用対効果が高くなる場合があります。つまり、「メインのIH対応調理器具」「必要に応じてヒートコンダクター+非対応の鍋」という二段構えで考えると、より便利なキッチン環境を作りやすいのです。

実際の調理例:土鍋を使った料理

たとえば、IHクッキングヒーター上で「土鍋を使った煮込み料理」をするシーンを想定してみましょう。鍋料理や炊き込みご飯など、土鍋ならではの味わいを楽しみたいときには、ヒートコンダクターを敷いた上に土鍋を載せて調理を行います。このとき、土鍋の底がしっかりヒートコンダクターと接する位置に置くよう気をつけてください。土鍋の形状によっては少し安定性に欠ける場合もあるので、調理中に鍋が動かないよう注意します。

最初は弱めの火力設定からスタートして、土鍋が急激に熱せられることを防ぎましょう。土鍋は急激な温度変化で割れるリスクがあるため、全体をゆっくりと温めるのがポイントです。適切に火力を調整しながら煮立たせ、食材に火が通ったら弱火に落として煮込む、という流れになります。これはガス火での土鍋調理に近い感覚ですが、IHに直接かけるよりも熱が緩やかに伝わる印象があります。焦げ付きの心配が少なく、じっくりと煮込む料理には向いているでしょう。

実際の調理例:アルミフライパンを使った炒め物

次に、アルミフライパンでの炒め物や焼き料理を想定してみます。本来、アルミ製品はIHで使えないため、ヒートコンダクターを使用する必要があります。ただし、アルミは熱伝導率が高い素材である一方、IHの電磁誘導には反応しにくいという特徴があります。そのため、ヒートコンダクターと組み合わせた場合、プレートの加熱で発生する熱を受け止める形になり、IH対応フライパンを使う場合と比べて調理時間が長くなるかもしれません。

それでもアルミフライパンをどうしても使いたい場合—例えば、軽量で使いやすい、焦げ付きにくい加工がしてあるなどの理由があるかもしれません—には、焦げ付きに注意しつつ火力を少し高めに設定して対応できます。予熱時間をやや長めにとり、フライパンが温まっていることを確認してから食材を入れると、ムラの少ない加熱を行いやすくなります。ただし、長時間の強火調理はヒートコンダクターやフライパンの寿命を縮める恐れもあるため、加熱時の管理はこまめに行ってください。

まとめ:ヒートコンダクターでIHの可能性を広げる

ヒートコンダクターは、IH非対応の調理器具をIHヒーター上で使えるようにする便利なアイテムです。お気に入りの土鍋やアルミ製品を引き続き利用できるという大きなメリットがある一方で、熱効率の低下や取り扱いの難しさ、プレートの高温や歪みなど、デメリットも存在します。したがって、IH調理のメインはやはりIH対応鍋・フライパンに任せつつ、「どうしても使いたい調理器具がある」場合や「特定の料理にしか使わない」というシーンでヒートコンダクターを上手に活用するのが賢い使い方と言えるでしょう。

また、プレートの選び方や取り扱い方次第で、安全性や快適性は大きく変わります。自分がよく使う調理器具や料理の種類を考慮し、合ったサイズ・厚み・素材のヒートコンダクターを選ぶことがポイントです。お湯を素早く沸かしたい時や、炒め物・焼き物を短時間で仕上げたい時にはIH対応の調理器具を使い、土鍋や銅鍋など独特の風味や仕上がりを求める時にはヒートコンダクターを活用する、といった使い分けをすることで、IHクッキングヒーター生活をより豊かに楽しめるようになるでしょう。

結果として、IHクッキングヒーターは火を使わない安全性や光熱費の節約効果など、多くの利点を提供してくれる素晴らしい調理手段です。しかし、従来のガス火時代の調理器具や調理スタイルをすべて諦めなければならないわけではありません。ヒートコンダクターという補助アイテムを通して、今まで使えなかった鍋やフライパンも引き続き活用していけるのは、非常に大きな恩恵と言えます。とはいえ、すべてをヒートコンダクターに頼るのではなく、あくまでも「手軽にIH非対応の鍋を使いたい」というニーズに応えるものとして捉えるとバランスが取りやすいでしょう。

日常のメイン調理は効率が良いIH対応器具で行いつつ、時々登場する特別な調理器具にはヒートコンダクターで対応する。そんな柔軟なスタンスを取れば、料理の幅も広がり、使い慣れた愛用の道具を活かし続けることもできます。IHクッキングヒーター導入を検討している方や、すでに導入していて「やっぱりこの鍋も使いたい」と感じる方は、ぜひヒートコンダクターを試してみてはいかがでしょうか。うまく使いこなせば、IHの利便性と従来の調理器具の良さを同時に堪能できるはずです。

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この記事を書いた人

SESで常駐しているサーバーエンジニアの普通の会社員
物理サーバーの導入、仮想基盤サーバーの導入、クラウド環境の導入作業等を設計から行っています。
趣味はゲームと漫画・アニメ
最近の口癖は時間がほしい。
最近はプログラミングもやりたいなぁと思い、独学で少しずつ勉強中。

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